雑記帳

エネルギー関連中心に気が付いたことのメモ

■IAEA事務局長 天野之弥さんが死去

 日本人がこのような国際機関のトップを務めるのは珍しいが、さらに、日本として特別の関係があると考えられる原子力関連の組織、特に、東日本大震災後の福島第1原発への対応や、イランの核開発をめぐる協議に関与したと言う意味でも、この人材を失ったことは日本にとっても大きな損失だと思う。

 天野氏の健康不安が表面化したのは昨年9月。医療措置後の療養を理由に年次総会などを欠席する異例の事態となり、翌月末に復帰。その後は毅然と職務をこなしていたものの、やつれたような姿に病の重さが垣間見える状態が続いていたと報じられている。アフリカや中南米、東南アジアでは、社会の発展に伴い感染症などの対応が改善され、がんによる死が急増すると予測されている。だが高価な放射線医療機器などは国に一つしかないような例もあり、天野氏はインフラ整備に注力したと報じられているように、原子力発電に関わる領域を超えた活動を推進してこられた。

 IAEAの活動分野が変わらないことを願うばかり。本当に惜しい人を失った。ご冥福をお祈りする。