雑記帳

エネルギー関連中心に気が付いたことのメモ

*企業の再生可能エネルギーの購入

Google、Yahooといった大規模なサーバーを利用しているところが、その稼働に必要な電力を再生可能エネルギーで賄おうとし、設備によっては100%が再エネになっているところも出ている。さらに、企業活動が地球温暖化を促進していないということを社会に示さなければ、消費者の心を惹きつけられなくなっている。

日経新聞が報じているが、欧州で企業による再生可能エネルギーの購入が急増しているようだ。風力発電の業界団体ウインドヨーロッパによると、2018年に契約が結ばれた出力は11月までで192万キロワット(約1.9ギガワット)に達した。17年通年と比べて3割増、3年前比で4倍となるという。欧州は太陽よりも風力の利用が進んでいるからではあるが、太陽光発電からの電力を購入する企業も増えているはずだ。

企業の近くに設置された再エネ電源から送電線を直結するケースもあるだろうが、主たるものは、送電系統を経由して購入する方式となる。日本でも同様の方式が普及しつつあるが、その時に問題となるのが、発電量と電力消費のパターンが一致しないことだ。大きな相違が長時間にわたって続くと、送電系統の制御に支障が出る。日本では遠隔地間で電力を売買する場合に、30分同時同量にするという拘束があるが、全てがこれを達成できているのはないだろう。遠隔地同士の電力売買が増加すると、送電系統が不安定化し、売買が順調に行かないようになるかも知れない。一カ所の発電所から、多数の企業に売るケースも出るだろうが、取引の制御に課題が出てくるかも知れない。北海道と本州間の連系線容量が小さいために、北海道の風力発電から東京の企業が電気を買うというのは、何か仮想的な取引を設定しないと成立しないだろう。

日本で欧州や米国のように再エネを購入する企業がどれほど増えるかは、必ずしも簡単な話ではないと思う。