雑記帳

エネルギー関連中心に気が付いたことのメモ

■政治的激動

 今日、台湾の総統選の結果が発表され、中国と距離を取る民主進歩党蔡英文総統が、勝利し、再選を決めた。また議会選挙でも同党が多数を占める結果となった。ある程度このようになるだろうと想定していたが、ここまで完全な勝利を納めるとは思っていなかった。蔡総統はこれから中国から距離を置いた政権運営をするだろうが、中国との経済関係はいままでと同様な緊密さを保つのではなかろうか。米国の傘の下に入るとはいえ、余りに米国依存を深めるのはリスクがある。この機会を狙って米国は、LNGの輸出などを押しつけようとするだろうが、これに過度に依存することも危険だと判断するはずだ。エネルギー面では日本と似通った状況にあるだけに、日台の協力によって、最近報じられたような洋上風力発電の建設などで技術協力を進め、火力発電の脱炭素技術の移転なども進めるべきことだろう。

 遠く離れたイランでは厄介な事態が発生している。米国に指摘されても否定していた離陸した直後の旅客機をミサイルで破壊したという事件を、一転して事実と認めたのだが、これが今後のイランと世界との関係にどのような影響が出るかが心配だ。この事態に対して自らの非を認める一方、つい最近ウラン濃縮に関する一切の制限を撤廃すると発表したことを今後どのように具体化するか、やり方によっては世界を敵に回す可能性がある。これまでの合意の中であれば、保有していたウラン濃縮プラントの精製能力では、核兵器に利用できるまでの濃縮は出来なかったのを、米国が一方的に合意から脱退したことによって、逆にウラン濃縮度を高める方向に向かったのだが、この施策を継続するのだろうか。